宍戸さん。この人は面倒見が良く、何かと後輩を気にかけてくれている。特に、ペアの鳳や女子であるには、不器用ながらも心配して、何かと協力しているみたいで、2人から信頼されている。


「宍戸先輩っ!」

「おぅ、どうした?。」

「怪我ないですか?大丈夫ですか?」

「あのなぁ・・・。しょっちゅう、俺が転んでるように見えるか?」

「だって!先輩は無茶するじゃないですか・・・!」

「それは、お前も、だろ。・・・ほら、その箱。2つ貸せ。1人で3つも持てないだろ?」


この2人は兄妹のように見える。仲がいいっていうのもあるが。どことなく、似ている。


「ありがとうございます。・・・じゃ、1つお願いします。」

「なんで、1つなんだよ。2つ貸せって。」

「だって、これは私の仕事です!先輩に多くやってもらうわけにはいきません!」

「あのなぁ・・・。」


どっちも努力家で、どっちも頑固。ホント、兄妹みたいだ。
だからだろうか。俺も、宍戸さんをそこまで悪く思わない。・・・少しは思うが。


「あ!若!いい所に居た!ちょっと、こっちへ来い!」

「・・・あ、はい!」


頭の中で、宍戸さんを少し悪く思っていた俺は、突然、宍戸さんに呼ばれ、少し驚いた。


の持ってるやつ、1つ持ってくれねぇか?」

「えぇ、構いませんけど。」

「よし、これで俺はより多く持ってねぇし、若も多く持ってねぇ。どうだ?」

「・・・じゃあ、みんな同じ量になっちゃうじゃないですか。同じでも駄目です。」

「同じぐらい、いいじゃねぇか。なぁ、若。若からも、何か言ってやれ。」


・・・そういえば、この人はだけでなく、鳳も、そして俺も、名前を呼び捨てで呼ぶ。樺地のことは、苗字で呼んでいたと思うが、少なくとも俺たち3人を平等にそう呼ぶから、俺もあまり悪く思わないのか。
それに、こうしてのもとに俺を呼んでくれた。・・・わかってやってるわけじゃないだろうけど、宍戸さんを少し良く思った。


「そうですね・・・。俺たちはとは鍛え方が違う。これぐらい平気だ。」

「若。もうちょっと、マシな言い方は無かったのか?・・・まぁ、いい。そういうことだ。な、。若もそう言ってんだからよ。」

「・・・・・・わかりました。じゃ、2人とも、お願いします。」

「おぅよ、任せとけ。」


そう言って、宍戸さんは先々行ってしまった。・・・・・・・・・場所、わかってるのか?相変わらず、張り切ってるよな。


。これをどこに持って行くんだ?」

「・・・ん?あ、これね!え〜っと・・・。あっち。」


宍戸さんが向かっている方向が当たっているような、そうでないような微妙な位置をは指した。・・・まぁ、よくわからないが、と歩けるからいいか。
その後、目的地に着く直前、宍戸さんは俺たちの方へ来た。・・・やはり、知らなかったんだな。


「じゃ、ここに置いてください。本当に、ありがとうございました。」


がそう言って、自分の箱を置くと、宍戸さんも急いで置き、急いで言った。


「おぅ。じゃ、長太郎が待ってっから、急ぐな!」


そして、そのまま走って戻って行った。・・・これも俺のことを考えたわけではないだろうが、俺の中で、宍戸さんは良い人に昇格しておいた。




***** ***** ***** ****** *****




俺は、人を放っておけないタイプで、何か見ていて危なっかしい、後輩2人――ペアの長太郎とマネージャーのには、何かと協力している。


「宍戸先輩っ!」

「おぅ、どうした?。」

「怪我ないですか?大丈夫ですか?」

「あのなぁ・・・。しょっちゅう、俺が転んでるように見えるか?」

「だって!先輩は無茶するじゃないですか・・・!」

「それは、お前も、だろ。・・・ほら、その箱。2つ貸せ。1人で3つも持てないだろ?」


俺の心配する前に、少し大きめの箱を3つも持って、フラフラ歩いている自分を心配したらどうだ?
ったく、本当に危なっかしい。


「ありがとうございます。・・・じゃ、1つお願いします。」

「なんで、1つなんだよ。2つ貸せって。」

「だって、これは私の仕事です!先輩に多くやってもらうわけにはいきません!」

「あのなぁ・・・。」


まぁ、言いたいことはわかるが・・・。は一旦言い出すと、絶対に意見を変えようとしない。
が、俺もそんなことはわかってる。そして、の弱点も。俺は弱点が居ないか辺りを見回した。


「あ!若!いい所に居た!ちょっと、こっちへ来い!」

「・・・あ、はい!」


の弱点、それは若。まぁ、の好きな奴だから、仕方がない。


の持ってるやつ、1つ持ってくれねぇか?」

「えぇ、構いませんけど。」

「よし、これで俺はより多く持ってねぇし、若も多く持ってねぇ。どうだ?」

「・・・じゃあ、みんな同じ量になっちゃうじゃないですか。同じでも駄目です。」

「同じぐらい、いいじゃねぇか。なぁ、若。若からも、何か言ってやれ。」

「そうですね・・・。俺たちはとは鍛え方が違う。これぐらい平気だ。」

「若。もうちょっと、マシな言い方は無かったのか?・・・まぁ、いい。そういうことだ。な、。若もそう言ってんだからよ。」


だが、若の弱点も、おそらく。若とそういう話はしたことがないし、直接聞いたことはないが、周りの奴らがそう言っていたし、俺もそう思う。だから、こんな素っ気無い言い方になっちまうんだろうなぁ。


「・・・・・・わかりました。じゃ、2人とも、お願いします。」

「おぅよ、任せとけ。」


でも、俺の考えは当たっていて、はあっさり意見を変えた。
さてと、あとは邪魔をしないように、と俺は先々行った。・・・・・・・・・場所はわからないが。ま、間違ってたら、が言ってくれんだろ。
その後、目的地に着く直前、俺はたちの方へ来た。・・・結構、当たってたんだな。


「じゃ、ここに置いてください。本当に、ありがとうございました。」


がそう言って、自分の箱を置くと、俺も急いで置き、急いで言った。


「おぅ。じゃ、長太郎が待ってっから、急ぐな!」


そして、そのまま走って戻った。別に約束もしてないし、長太郎は待ってねぇと思うけど。
ま、みんな俺にとっては良い後輩だ。お前らのためにしてやれることは、何でもしてやるからな。













ようやく、まともに協力&応援をしてくれている宍戸さんの登場!(笑)・・・あ、向日さんも協力的でしたね。他の方々は・・・・・・いえ、何でもありません(笑)。

宍戸さんが協力的なおかげか、日吉くんもちょっと素直になりつつありますね・・・。一緒に歩けるのを楽しみにしているようですから(ニヤリ)。さて、今後はどうなっていくのでしょうか?!(黙れ)
次は、最後の3年生、滝さんです。彼はちゃんと協力的してくれるのでしょうか・・・?(笑)

('09/11/09)